
「後ろ姿」
生き急がないで
立ち止まって私を見て
モタモタしないで
私を切り取ってガクの中に閉じ込めて
貴女はいつだってそうやってわがままで困らせるんだ
その後ろ姿で
僕は後を追って走りたくなる
前を行って道を作りたくなる
貴女から目が離せなくなるんだ
色んな角度から貴女を見たくなる
でも貴女はわがままで気ままだから
気付くと居なくなっていて
僕は途方に暮れる
何日も何日も
もしくは何年も?
貴女を追っている僕かいる
あの時貴女を閉じ込めておけば良かった
人間味のある貴女に恋をして
貴女の後ろ姿から目が離せなくて‥
今は何処にいるのかわからなくて
林の中を亡霊を追いかけるように
探りながら走っているんだ
枯れ木に当たりながら
いつかまた貴女が現れるような気になって
ずっとずっとあの時の後ろ姿を追っているんだ
Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue