カテゴリー: 写真詩
「安堵」
「愛している」と心で呟いた時
涙がこぼれ落ちた
何の涙だったのか
その意味もわからないままに
「信じていて良かった」と
何か会わない間にも 絆は深まったと
そう思ったのかもしれない
彼の誠意を やっと感じることが出来た
安堵の気持ちと 嬉しさと
たくさん自分を責めた
彼は責められた
かばいたくてもかばいきれない
そんな状況の中 ストレスで不安定になっていた
何を信じて 誰と話せば良いのか
全くわからなくなって
うずくまる思いだった
神様 私は信じて良かったと思いました
人を好きになり 愛したら信じたい
例え傷ついても
自分で選んだ人ならば信じたい
会わない間に 私たちはお互いを思いやっていた
この先も同じ 例え会わなくても…
静かに料理をした
父にも報告した
少し痛む腰をかばいながら
一人の食事を楽しんだ
楽しいことばかりではないかもしれない
時間が経てば変わることもある
お互いの「頑張り」を今日はたたえたい
Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue
「後ろ姿」
生き急がないで
立ち止まって私を見て
モタモタしないで
私を切り取ってガクの中に閉じ込めて
貴女はいつだってそうやってわがままで困らせるんだ
その後ろ姿で
僕は後を追って走りたくなる
前を行って道を作りたくなる
貴女から目が離せなくなるんだ
色んな角度から貴女を見たくなる
でも貴女はわがままで気ままだから
気付くと居なくなっていて
僕は途方に暮れる
何日も何日も
もしくは何年も?
貴女を追っている僕かいる
あの時貴女を閉じ込めておけば良かった
人間味のある貴女に恋をして
貴女の後ろ姿から目が離せなくて‥
今は何処にいるのかわからなくて
林の中を亡霊を追いかけるように
探りながら走っているんだ
枯れ木に当たりながら
いつかまた貴女が現れるような気になって
ずっとずっとあの時の後ろ姿を追っているんだ
Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue
「貴方の声」
夕暮れ時になるとね
貴方の声が聞きたくなるの
雲がちぎれて離れて行くから
何かが終わる感じがして
また繋げたいって思うの
シャワーを浴びた身体で
横になって ただただ空を眺めているの
そろそろ一日の仕事に疲れている頃かな?って
ご飯を食べている時
毎日でなくても 一緒に食事が出来たらって
わがままかもしれなけれどね
長いこと 貴方の髪に触れていないね
柔らかくて 健康な髪
夜はきっとお酒を飲みながら一人疲れた身体を休めるのね
私は少し焦ったように 夜が来るのが怖くなるんだ
だってまた 声が聞きたくなるからね
夜は静寂で
それでいて貴方を映すのよ
Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue
「バルコニー」
ずっとずっと貴方の後ろ姿を此処から眺めているの
貴方の帰る姿を
いつもと同じホテル
何年と時を超えても尚
交わる何か
縁という言葉を知っているでしょう?
貴方もこの場所も
この空気も
私にとっては 縁であり運命なの
美しくありたいから
それなりの努力をしてきたわ
女で産まれた自分に恥じないように
甘いクロワッサンの香りがしている
少し曇り空の下を
貴方はコートの襟を立てて帰るのね
「寂しげだね」と 良く言われるの
内心は 愛に満ちているのに
此処は不思議な時間が流れるのよ
来客の嬉しさは 自宅にいる時より心を埋める
同じ仲でも この場所で逢う事に意味があるのね
また見届けるわ
貴方の寒そうな後ろ姿を
その後ベッドに倒れ込んで
冷たいシーツに包まるのよ
Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue
「自分の言葉」
自分の言葉って難しいよね
教育とか環境とか
経験が邪魔したり
でも そこに感情があれば
個人の心の叫びがあれば
その人の言葉になるよね
全部詰め込んでさ
バックパック旅行とか出来たらいいよね
世界の人と自分の言葉で話してさ
衝突もあるかもしれないけれど
共感出来たり
学んだり 感動したり
そうやってまた
自分の言葉を増やしていくんだもんね
人を創ることは
人生の芸術だよね
まや★
「祈り」
祈ってもいいですか?
愛する人の為に
祈ってもいいですか?
この世の不幸の為に
絶望の中に居た時に
貴方に救われました
私は既に貴方の腕の中です
そこから見えた世界に
私は心が震えました
少しずつ心が解放されて
人を 自然をもっと愛したいと願いました
貴方から教わることはいつもたくさんあります
祈ることしか出来ないかもしれません
それでも私はこうしていたいのです
祈ってもいいですか?
自分の為に
祈ってもいいですか?
この世の幸福の為に
貴方に照らされて私は存在します
影になっても私は幸せです
祈らせて下さい
貴方の為に
私の為に…
Photo★Tetsuro Higashi
Model★Chiffon
Poem★Maya Inoue
「美しくある」
私を美しくするものがなくなった
私が美しくありたいと思う感覚が
どこかへ行ってしまった
誰かが誰かの物語りの中で
作り上げていて
気付いたら人生の風景の中に居る
そんな風景が今
どこか別の世界で起こっているようで
私とは関係がないと
そう感じることが
私の物語りでもあるのか‥
世間の騒がしさの中
不安になり イライラし
殻に閉じこもって
身を守ろうとしているけれど
「美」への追求ができなくなって
自然に「美しく有る」こともできず
「醜い」自分が顔を出す
私の物語りを読んだ人々が
涙を流してくれるだろうか?
笑ってくれるだろうか?
少しの幸福を得られるだろうか?
私が「詩」に寄り添うように
誰かが寄り添えるだろうか?
誰かのドラマの中では生きられないかもしれない
それでも交差する想いの中
私たちは生きる
選ばれなかった者としてでも
その立ち位置がちゃんとある
それは選ばれなかったという
選ばれ方だ
その者はまた別の物語りの中
主人公になるかもしれない
誰しもが誰しもが‥
「本能」を打ち消しては
「生きた者」としては死す
それを制限された今
何が私を美しくするだろう?
何が人々を揺さぶるだろう?
人と人を繋ぐ何か
目には見えない何か
それが「魂」を磨くということかもしれない
Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue
「眼差し」
何を見つめている?
どこまで見えているの?
全てから置いて行かれ
全てを置い出来たような
哀しいから そんな目で見ないで
寂しいから 側に来てよ
何を見つめている?
どこを見ているの?
どん底を見たような
これ以上ない哀しみを 感じたかのような
これ以上 心を閉ざさないで
一人では見られない景色を
今貴女は見ているでしょう?
目の前にいる人を
愛でてるでしょう?
一緒に笑った瞬間を
踊った心を きっと見ている
哀しみの中にも 先にある希望を期待して
だから、もう少し笑って
もう少しだけ開いて
お願いだよ
そんな目で見ないで
Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue
どうも、wordpressのページが二つ作られてしまったようだ…
どうしたものか…
上の写真は、世界的に活躍する写真家の東哲郎さんに撮影してもらったもの。
彼の作品が大好きなので、とても光栄だ。
詩と一緒にどうぞ^_^♬