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美しくある

「美しくある」

私を美しくするものがなくなった

私が美しくありたいと思う感覚が

どこかへ行ってしまった

誰かが誰かの物語りの中で

作り上げていて

気付いたら人生の風景の中に居る

そんな風景が今

どこか別の世界で起こっているようで

私とは関係がないと

そう感じることが

私の物語りでもあるのか‥

世間の騒がしさの中

不安になり イライラし

殻に閉じこもって 

身を守ろうとしているけれど

「美」への追求ができなくなって

自然に「美しく有る」こともできず

「醜い」自分が顔を出す

私の物語りを読んだ人々が

涙を流してくれるだろうか?

笑ってくれるだろうか?

少しの幸福を得られるだろうか?

私が「詩」に寄り添うように

誰かが寄り添えるだろうか?

誰かのドラマの中では生きられないかもしれない

それでも交差する想いの中

私たちは生きる

選ばれなかった者としてでも

その立ち位置がちゃんとある

それは選ばれなかったという

選ばれ方だ

その者はまた別の物語りの中

主人公になるかもしれない

誰しもが誰しもが‥

「本能」を打ち消しては

「生きた者」としては死す

それを制限された今

何が私を美しくするだろう?

何が人々を揺さぶるだろう?

人と人を繋ぐ何か

目には見えない何か

それが「魂」を磨くということかもしれない


Photo★Tetsuro Higashi

Poem★Maya Inoue

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