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「恋」


恋が したいなと 思いました


火花が 散るような 


砂が 落ちて 行くような


恋が したいなと 


愛とか 情とか まだないような


想像力を 掻き立てる 恋が


同じ月の下で 離れて 泣く


そんな恋が


勢い余って 走り出すような


腕や 手を見て 触れて欲しいと思うような


そんな恋が




長く 愛してしまいました
残ったものはわずかです
後悔がない分
釣り銭にもならない 空虚感が 存在します


切れない絆を 
与えてもらったのかもしれません
でも それは見えなくて 
感覚的にも不確かです


淡々とした日々の中
勢いを無くした 
行くあてのない寂しさだけが
私の左まぶたを麻痺させます




恋を したいと 思いました


今一度 戻れないくらいの


私は 私を 愛さなければ


もう 恋なんて出来ないと


そんな風に 思いました


Photo★Tetsuro Higashi
Poem★Maya Inoue

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